ロサンゼルスの町中を車で走っていたら、ファーストフード店独特の、フレンチフライズの匂いがして来ました。それも、かなり強い匂いです。通りの左右を見回しても、ファーストフード店はないし、片側三車線の広い道路の、内側を走っていたので、通りの両側の店舗からは、一番離れています。
最初に匂いがし出した所から、2ブロック以上走っても、まだ匂いがして、一向に弱くなりません。そこで、前を走っている車が、フレンチフライズを大量に買い込んで、窓を開けて走っているのかなとも思ったのですが、それにしても匂いが強過ぎます。自分の車の中にフレンチフライズがあっても、これ程匂いません。
不思議に思いながら、次の交差点で左折するので、左折の車線に入ったら、私の前に止まっている車がこれでした。走っていた時は、私の前の車の前を走っていたので、気が付きませんでした。

後ろの左右に、ステッカーが貼ってあります。

左がこれ。「植物オイルで動く」とあります。

右がこれです。「この車はファーストフードの油で動く」とあります。

話には聞いていましたが、実際に見るのは初めてです。アメリカでは、10年くらい前だったか、ガソリンの値段は毎日の様に上昇した時がありました。その当時に、ガソリンの代わりに、植物オイルを燃料とするべきだという議論が、活発に行われて、実際に、ディーゼル車を、植物オイルを動力とする車に改造する人達が出て来ました。植物オイルは食べても良いものなので、有害な化学物質が排気ガス中に、含まれていないのも利点です。
とは言っても、植物オイルの値段は、ガソリンと大して変わらないので、燃料代の節約になりません。そこで、自分の持っているディーゼル車を、お金をかけて改造するメリットが、全くありません。但し、例外があります。ファーストフード店や、ハンバーガー・レストラン等、大量の植物オイルを、使う飲食店を所有している人達です。
レストランで使用済のオイルは、簡単な機械を使って、不純物を取り除くだけで、車の燃料になるので、燃料として植物オイルを購入する必要がありません。更に、レストランの所有者は、元々、使用済みのオイルを、廃棄業者にお金を支払って、回収して貰っているので、自分で燃料として使うことで、業者にお金を支払わなくて良くなります。つまり、車の燃料として、別に購入する必要がない上、廃棄のための費用を支払わなくて済む、一石二鳥になるわけです。こんなうまい話に、乗らないはずがないです。
これが原因で、飲食店所有者を中心に、植物オイル車が少しずつ普及している様です。使用済みのオイルなので、単に植物オイルの匂いがするのではなく、フレンチフライズの匂いがしてしまします。
これに伴って、以前にはなかった問題も発生しています。使用済みのオイルはゴミなので、通常レストランの裏の路地や駐車場の隅に、大きな容器に入れて置いてあります。植物オイルが、車の燃料として注目されていなかった当時は、使用済みのオイルに興味がある人はいなかったのですが、植物オイル車の数が増えて来て、使用済オイルが盗まれる事件が多発し始めました。そこで、容器の蓋に、頑丈な鍵を取り付けている人も多いです。
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